東栄寺「ツツジ咲く境内」

撮影ノート

東栄寺は建仁3年(1203)の創建と言われながら、平安仏を本尊としています。その理由は定かではありませんが、世間では古いといっても実は新しいのだろう、などと考えがちですが、寺伝よりも古いものがあったりする寺は、意外に多いようです。そもそも、そんな「嘘」がまかり通っていたら、社会的な秩序などは、到底保つことはできません。私は、昔の人は、自由な現代人ほど嘘はつかない、いや、つけないのだと考えています。

山門の右手には、茅葺きの観音堂があります。聖観音立像は、定朝様式を持ち、制作年代は平安後期と考えられ、30年、または60年に一回開帳されたと伝えられる秘仏です。しかし、本来は薬師如来像の脇侍である日光菩薩像であったものが、寺伝に言う建歴年間(1211~3)の火災後、観音像に改作されたものらしいのです。そのためか、平安時代作とは言え、県指定の文化財に留まっています。

お堂を被写体にしようと何度も通ったのですが、なかなか構図が浮かびませんでした。そのうちに、お堂の裏の土手にツツジの花が咲き乱れるようになっていました。そこで裏から回って、土手の上から茅葺きのお堂を見下ろして撮影した作品です。

東栄寺「ツツジ咲く境内」
▲クリックで拡大写真をご覧いただけます。

北陸山東栄寺
干潟町溝原
創建・建仁3年(1203)
天台宗
本尊・阿弥陀如来

撮影・平成11年4月30日
4×5判 150mmF5.6 F22 1/3 1/15秒 EPP
前の写真印旛・香取古寺巡礼トップへ戻る次の写真