7月20日の夕刻、三の池のほとりの茂みで駆ける子猫に気がつきました。親猫もいたので戻るのを待って撮影しました。
その後、書道美術館の周辺で見かけ、可愛い猫だと思って撮影しました。
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8月8日、筆魂碑に母子の姿がありました。ひとしきりじゃれて見つめ合うと、まだ遊び足らない子猫を残して母猫が歩き出し、子猫も後を追って並んで去ってゆきました。
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母猫は人なつこく、撫でるととても柔らかい毛並みをしていましたが、子猫は警戒心が強く、近づいてきません。
書道美術館の方が「母猫は四年前に生まれたのですが、除草剤を撒いたころだったので目も耳も良くないのです」と教えてくれました。言われてみると、目をつぶり過ごす姿は苦痛に耐えているように思えるのでした。
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冬の間は撮影出来ず、春になると姿を見せない日もあって心配していました。3月の末、何日も現れないので書道美術館の方に聞くと「母猫は茶室の茂みのところにいます」と教えてくれました。4月6日、茂みに見つけて近づこうとすると逃げられてしまいました。しばらく待っていると階段の上で子猫と向き合う母猫の姿がありました。近づくことの出来ない、親子の静かな時間がありました。
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5月、消息を尋ねると4月のある日、茶室のあたりで死んでいるのを外国の方が見つけてくれたとのことでした。4月6日の写真が母ちゃん猫の最後の姿になってしまいました。 探してみると、子猫との出会い以前にも母猫の写真がありました。五年で生涯を閉じた薄幸の猫。あの世では安らかに、子猫を見守ってほしいと祈ります。
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