幸町の旧山車、最期の勇姿
祇園祭をはじめて本格的に撮ろうとした最初の年、二日目に仲之町の鮨屋さんで宴席を持つ、という友人がいました。これは二階から山車を撮影するチャンスだと思い参加し、夕刻、坂を登る山車を撮りました。
頃合いを見て抜け出し、最期は薬師堂の前に陣取りました。すると、幸町の山車が戻って来ました。ポールを回ると、向こう側の二階から浴衣の親子が手を振り、山車も応えました。そして、薬師堂の前でひとしきり踊った後、若者頭の「行くぞ」の気合いを撮影しました。
二日目に撮影した幸町の四枚は、この年の撮影を代表する作品となりました。しかし、その夜更け、幸町の山車は消失してしまい、最期の写真となってしまいました。
前年の写真を見ても、仲ノ町の坂を上った幸町の山車が、一番の出来でした。こうして始まった幸町との出会いは、その後も続きました。祇園祭の名場面集の中で、ご覧いただけます。
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このあと幸町に戻り、夜半に焼失。最期の勇姿を残すことが出来ました。