ふるさと古寺巡礼 ―印旛・香取、古寺名刹の世界―

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吉祥院「本堂」

「本堂」

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妙見山星福寺吉祥院
東庄町羽計
創建・不詳
真言宗
本尊・大日如来

撮影・平成11年4月17日
4×5判 90mmF5.6 F22 1/15秒 EPP

撮影ノート

南都六宗の一つである法相宗は、代表的な古代仏教宗派の一つであり、奈良の興福寺、薬師寺を大本山としています。千葉県内では、法相宗のお寺は珍しいのですが、星福寺は、真言宗となる以前は法相宗のお寺でした。神亀元年創建の結縁寺も、元は法相宗でした。

東胤頼という武将が支城をこの地に構えた際、尊崇する妙見像を本尊として安んじたのだといいます。星福寺という寺号も、妙見信仰の故なのでしょう。もっとも北総には星宮神社が点在しているのですが、星の神、かがせ男を祭神としているところもあります。ところが、このかがせ男は天孫降臨に逆らった悪神であると日本書紀に書かれています。茨城県にはかがせ男伝説もあり、かがせ男と妙見信仰、星宮神社との関係は興味深い問題です。

寺は延宝7年(1680)、真言宗に改宗しました。今、大日如来が本尊となっているのは、この時からのものと考えられます。大正6年の10月に風害に遭い、堂宇は悉く倒壊してしまいましたが、幾ばくもなく再建されました。

訪ねあててみると、本堂と背後のお墓にたくさんのお花が供えられていました。信者による信心の感じられることは、気持ちの良いものです。