龍正院「仁王門」

撮影ノート

滑川観音として広く親しまれている龍正院は、板東三十三霊場の第二十二番札所となっています。その創建は、これまで承和七年(810)だと言われてきました。

ところが、その本堂の裏手から出土した瓦は三重圏文縁八乗単弁蓮華文鐙瓦と言われるもので、いわゆる山田寺系の流れをくむものでした。これは、白鳳仏を今に伝える竜角寺、さらには木下廃寺、長熊廃寺、大寺廃寺など、一連の廃寺跡出土のものと共通するものであり、龍正院の想像を超えた古さを示すものでありました。遺跡は現本堂をはじめ、境内の中であり、発掘調査は行われていないものの、裏手の町道の工事では窯跡が発掘され、出土の瓦を焼いていたことが分かりました。これにより、専用の窯を持つ大寺だったことが分かったのです。

七世紀に遡りうると見られる名も知れぬ廃寺跡が数多くある中で、龍角寺と竜正院は、同じ敷地に今日まで連続しています。その理由は何か。これもまた、大きな謎の一つであると思います。

作品となった仁王門は茅葺き寄せ棟造りの簡素なものですが、一見円柱に見える十六角柱となっています。解体修理の結果、文亀年間(1501-4)に再建されたものと分かりました。国の重要文化財に指定されています。

写真は夕日のあたる仁王門の十六角柱に注目し、撮影しました。

龍正院「仁王門」
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滑川山龍正院
下総町滑川
創建・白鳳時代
天台宗
本尊・十一面観音

撮影・平成12年11月26日
4×5判 210mmF6.1 F16 1/3 1/8秒 ElOOs
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