宝珠院「古材との対話」

撮影ノート

泉倉寺に車を置いて、狭く、生け垣に囲まれた曲がりくねった小径を行くと、宝珠院観音堂(通称・光堂)が木立に囲まれて静かに佇んでいました。正面に回ってみると、四間四方のつつましいお堂は、白木の質感が美しく、実に愛らしいものに感じられます。「光堂」という通称が、真に当を得たものだと思えます。

光堂は、永禄六年(1561)年に建立されたもので、和様と禅宗様式との折衷であり、千葉県では、良くみられる様式だということです。観音堂は、元は泉倉寺とは別な寺だったのですが、無住の時代が久しく、泉倉寺の管理となりました。その観音堂の重要文化財指定にあたっては、泉倉寺三十五世住職、一島真龍氏の尽力がありました。

一島住職の努力が実を結び、昭和二十八年、光堂は復元修理とともに、国指定重要文化財となりました。お堂に近づいて良くみると、新材の間に古材が残っていることが分かります。深い年輪のえぐれによって、それと知れるのです。この、優美な光堂を引いて眺め、寄っては古材に刻まれた時の印に目を凝らしてみる。それは、実に至福のひと時でした。

宝珠院「古材との対話」
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宝珠院観音堂
印西市小倉
創建年不詳
本尊・聖観音

撮影・平成9年6月1日
180㎜F5.6 F22 1秒 EPP
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